退職届はいつ、誰に渡す?提出時期・出し方マナーを徹底解説【例文付き】

退職届はいつ、誰に渡す?提出時期・出し方マナーを徹底解説【例文付き】
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初めての退職で、退職届の提出方法に戸惑っていませんか?退職は新たなスタートを切るための大切な一歩ですが、手続きに不備があると会社との間でトラブルが発生し、スムーズな退職が難しくなることもあります。特に退職届は、あなたの退職の意思を正式に会社に伝える重要な書類です。退職届を提出するタイミング、相手、渡し方を知ることは円滑な退職を行ううえで不可欠です。

この記事では、そんな退職届に関する疑問を解消し、あなたが安心して退職日を迎えるための完全ガイドとして、退職届の提出時期やマナー、注意点について解説します。この記事を読めば、退職届を出す前に確認すべきことが分かり、後悔のない退職準備ができます。また、退職届の適切な提出時期と渡し方が分かり、円満退職を実現できます。さらに、突然の退職を検討する際の注意点や、郵送する場合のマナーも理解できます。例文付きで分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

1. 退職届を出す前に確認すべきこと

退職届を提出する前に、まずは冷静に、そして慎重に確認すべきことがいくつかあります。これらを怠ると、後々トラブルに発展する可能性もあります。円満退職を実現するためにも、以下の3つのポイントをしっかり確認しましょう。

1-1. 退職意思の最終確認と退職日の決定

まず、退職意思が固まっているかについて、改めて自分自身で確認しましょう。一時的な感情で退職を決意してしまうと、後で後悔するかもしれません。今の仕事が辛く、転職をしたいという気持ちが強まる瞬間もあるとは思いますが、冷静に自分の気持ちと向き合い、将来設計も考慮した上で、後悔のない決断をすることが大切です。退職届は撤回することができないので、退職をして後悔しないか慎重に検討しましょう。

退職の意思が固まったら、退職日を決定しましょう。法律上、退職の2週間前までに退職の意思を伝えれば退職可能ですが(民法第627条)、会社の就業規則で民法とは異なる退職に関するルールが定められている場合があります。就業規則には、退職の申し出期間だけでなく、退職の手続きや有給休暇の消化に関する規定も記載されていることが多いので、必ず確認しましょう。就業規則は、社内ネットワークや人事部へ問い合わせることで確認できます。特に、転職先が決まっている場合は、入社日との兼ね合いも考慮して退職日を決定しましょう。

確認ポイント:

  • 退職意思は固まっているか?
  • 転職先への入社日は決まっているか?
  • 退職希望日はいつか?
  • 就業規則の退職に関する規定

1-2. 業務の引き継ぎ準備

退職日が決まったら、業務の引き継ぎ準備を始めましょう。あなたが担当している業務は、あなたの退職後も誰かが引き継ぎ、問題なく業務が回るようにする必要があります。後任者が決まっている場合は、その人にスムーズに引き継げるように、引き継ぎ資料を作成したり、口頭で丁寧に説明する場を設けましょう。

また、引き継ぎは必ずしもきりの良いタイミングで行えるとは限りません。担当している業務内容、進捗状況、注意点などをまとめた資料も作成すると、引き継ぎ後も問題なく業務を回すことができます。口頭での説明では、資料の内容を補足するだけでなく、業務の背景やノウハウなども伝えるように心がけましょう。後任者が決まっていない場合でも、誰が引き継いでも困らないように、業務内容を整理し、マニュアル化しておくことが大切です。

引き継ぎをおざなりにしてしまうと、退職後も会社から連絡がある場合があります。丁寧な引き継ぎは会社にとってもあなたにとっても、円満な退職を実現するうえで重要なのです。

準備ポイント:

  • 引き継ぎ資料の作成
  • 業務のマニュアル化
  • 後任者への引き継ぎ準備

1-3. 退職後の手続きの確認

退職後の手続きについても、事前に確認しておきましょう。退職すると、健康保険、年金、雇用保険などの手続きが必要になります。これらの手続きは、退職後に行うものもあれば、退職前に会社で行う必要があるものもあります。

  • 健康保険の切り替え:退職をすると健康保険の加入資格を失ってしまうため、切り替えの手続きが必要です。切り替え方法によって手続きの期限が異なりますが、切り替えは主に以下の3パターンです。
    • 転職先の企業で健康保険に加入する場合:転職先の企業で保険証の再発行を行います。再発行には1~3週間ほどかかるため、この期間中に医療費が発生した場合に備え、「健康保険被保険者資格証明書」を準備すると良いです。必要な書類については転職先の人事部に相談しましょう。
    • 国民健康保険に加入する場合:退職後すぐに入社しない場合は国民健康保険に加入します。なお、手続きの期限は退職日の翌日~14日以内と定められているので注意しましょう。手続きの際には退職時に会社から受け取る「資格喪失証明書」が必要です。
    • 家族の扶養に加入する場合:被扶養者となる条件を満たしている場合は家族が加入する健康保険の扶養に加入します。手続きの際に、扶養対象者であることを証明するため、所得を証明する書類が必要になるので準備しておきましょう。
  • 年金の切り替え:退職後すぐに転職先の会社に入社しない場合は、退職から14日以内に厚生年金から国民年金に切り替える手続きを行います。なお退職後すぐに転職先の会社に入社する場合は、転職先の企業が手続きを行うため不要です。
  • 失業保険の手続き:長期の離職期間を予定している方の中には、失業保険を受け取れる場合があります。失業保険の給付には待機期間や給付制限期間などが設けられているので、少しでも早く受け取るには、離職届が届き次第すぐに近くのハローワークで失業保険の給付手続きを行いましょう。失業保険の給付条件は以下の通りです。
    • 自己都合で退職した場合:退職前の2年間で雇用保険の加入期間が通算12カ月以上の方。給付までには7日間の待期期間と、その後の2カ月間の給付制限期間が経過する必要があります。
    • 会社都合で退職した場合:退職前の1年間に雇用保険の加入期間が通算6カ月以上の方。給付までには7日間の待期期間が経過する必要があります。
  • 住民税の支払方法変更の手続き:会社員の時、住民税は給料から天引きされていましたが、退職後は支払方法を変更する必要があります。手続きの期限は退職した日が属する月の翌月10日までです。

これらの手続きをスムーズに行うためにも、事前に必要な書類や手続きの流れを確認しておくことが重要です。退職する会社や転職する先の人事部に確認してみるのが確実な方法です。

確認ポイント:

  • 健康保険の手続き
  • 年金の手続き
  • 雇用保険の手続き
  • その他、必要な手続き

2. 退職届の提出時期と渡し方マナー

退職届の提出時期と渡し方マナー

退職届は、退職の意思を会社に伝える正式な書類です。適切な時期に、正しい方法で提出することが、円満退職への第一歩となります。ここでは、退職届の提出時期と渡し方のマナーについて解説します。

2-1. 退職届の提出時期

退職届の提出時期は、会社の就業規則で定められている場合が多いです。一般的には、退職希望日の1ヶ月前までに提出することが推奨されています。法律上は、退職の2週間前までに意思を伝えれば退職可能ですが(民法第627条)、会社の就業規則でより長い期間が定められている場合は、就業規則を優先しましょう。

1ヶ月前に提出するのが一般的とされていますが、繁忙期や人員配置の都合によっては、さらに早めの提出が望ましい場合もあります。退職時期については、直属の上司に相談するのが最も確実です。上司に相談する際は、退職の意思が固まっていることを伝え、退職時期について相談に乗ってもらいましょう。

提出時期の目安:

  • 就業規則の確認:必ず確認!
  • 一般的な目安:退職希望日の1ヶ月前
  • 繁忙期・人員配置:1カ月よりも早めの提出を検討
  • 上司への相談:退職時期について相談

2-2. 退職届の渡し方マナー

退職届は、直接手渡しするのが基本です。封筒に入れ、封筒の表面に「退職届」と記載し、裏面に所属部署と氏名を記載します。封筒の色は白、サイズは退職届がA4用紙であれば長形3号、B5用紙であれば長形4号にするのが一般的です。

退職届を渡す相手は、直属の上司です。事前にアポイントを取り、個室や会議室など、人目を気にせず落ち着いて話せる場所で渡しましょう。渡す際には、感謝の気持ちを伝え、退職理由を簡単に説明します。ただし、ネガティブな退職理由や会社の批判は避け、前向きな言葉で締めくくりましょう。

例えば、「〇〇さんには、入社当初から大変お世話になりました。〇〇さんのご指導のおかげで、今の私があります。本当にありがとうございました。」といった感謝の言葉や、「新しい環境で、自分のスキルを活かして、さらに成長したいと考えています。」といった前向きな言葉を伝えるようにしましょう。

手渡しのマナー:

  • 封筒に入れる:白の封筒(A4用紙の場合:長形3号 B5用紙の場合:長形4号)
  • 封筒の記載:表面「退職届」、裏面「所属部署・氏名」
  • 渡す相手:直属の上司
  • 場所:個室や会議室など落ち着いて話せる場所
  • 言葉遣い:感謝の気持ちと前向きな言葉

2-3. 退職届の例文

退職届の書き方に不安がある場合は、以下の例文を参考にしてください。

【退職届 例文】
退 職 届

令和〇〇年〇〇月〇〇日

株式会社△△
〇〇殿(渡す相手のフルネーム)

〇〇部 〇〇課
〇〇(フルネーム)㊞

私儀

この度、一身上の都合により、誠に勝手ながら、
〇〇年〇〇月〇〇日 をもって退職させていただきます。

                      以上

【記載事項】

  • 宛名:会社名と 直属の上司の役職と氏名、捺印(+殿)
  • 所属部署と氏名: 自分の所属部署と氏名
  • 件名: 退職届
  • 本文: 退職理由(自己都合退職の場合は一身上の都合で問題ありません)、退職日
  • 日付: 退職届作成日
  • 会社名、役職氏名: 会社名と宛名と同じ役職氏名
※日付は、退職届を提出する日ではなく、実際に退職する日を記載するのが一般的です。
※捺印は、シャチハタではなく認印を使用しましょう。

3. 突然の退職と郵送時の注意点

やむを得ない事情で、突然退職せざるを得ない状況になることもあります。また、郵送で退職届を提出する必要がある場合もあるかもしれません。ここでは、突然の退職と郵送時の注意点について解説します。

3-1. 突然の退職について

原則として、退職は事前に会社に申し出るべきですが、やむを得ない事情がある場合は、突然の退職も可能です。例えば、病気や怪我で業務を続けられない場合や、ハラスメントなど、職場環境が著しく悪い場合など、緊急性の高い理由がある場合は、退職届を提出することで、即日退職することも可能です。

ただし、突然の退職は、会社に大きな迷惑をかけることになります。できる限り、事前に上司に相談し、理解を得るように努めましょう。また、突然の退職の場合でも、退職の手続きは通常通り行う必要があります。退職届の提出はもちろん、健康保険証や社員証の返却、私物の整理など、忘れずに行いましょう。

突然の退職の注意点:

  • やむを得ない事情がある場合のみ
  • 会社に迷惑がかかることを理解する
  • 事前に上司に相談する
  • 退職手続きは通常通り行う

3-2. 郵送時の注意点

退職届は、直接手渡しが基本ですが、どうしても郵送しなければならない場合もあります。例えば、退職を申し出にくい状況や、遠方に引っ越してしまった場合などです。郵送で退職届を送る場合は、必ず「内容証明郵便」や「簡易書留郵便」で送りましょう。

  • 内容証明郵便:文書の内容や差出人・宛先・差出日付などについて、差出人が作成した謄本により、郵便局が証明する制度です。法的証拠となります。
  • 簡易書留郵便:郵便物の送達過程のうち、引受けと配達を郵便局で記録します。郵便物の破損や届かなかった場合は一定額まで賠償されます。

これらの郵便サービスを活用することで、「退職届を送った」「受け取っていない」などのトラブルを避けることができます。

また、郵送で送る場合は、添え状を同封するのがマナーです。添え状には、退職の意思を改めて伝えるとともに、郵送での提出となるお詫びや、感謝の気持ちなどを記載しましょう。

郵送時の注意点:

  • 内容証明郵便で送る
  • 添え状を同封する
  • 封筒は白の封筒を使用(A4用紙の場合:長形3号 B5用紙の場合:長形4号)
  • 宛名は会社名と代表者名
  • 自分の連絡先を明記

【添え状の例文】

令和〇〇年〇〇月〇〇日

株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇様

〇〇部 〇〇課
〇〇〇〇(自身のフルネーム)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、この度、一身上の都合により、〇〇年〇〇月〇〇日をもって退職させていただきたく、退職届を同封いたしましたので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。

本来であれば、直接お伺いしてご挨拶すべきところ、郵送でのご連絡となりましたこと、深くお詫び申し上げます。

在職中は、公私にわたり格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。皆様には心より感謝しております。

末筆ながら、貴社の益々のご発展と、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

敬具

退職届 1通

以上

まとめ

退職届の提出は、円満退職を実現するための重要なステップです。この記事では、退職届の提出時期、渡し方マナー、突然の退職、郵送時の注意点など、退職届に関する重要なポイントを網羅的に解説しました。

退職届提出のポイント:

  • 退職前に確認すべきことをしっかり確認する
  • 退職届は適切な時期に提出する
  • 退職届は直接手渡しが基本
  • 郵送する場合は内容証明郵便で送る
  • 感謝の気持ちを忘れずに

退職は、新たなスタートラインに立つためのポジティブな転換期です。この記事が、あなたのスムーズな退職と、輝かしい未来への一歩を応援できれば幸いです。退職後の手続きや転職活動についても、不安なことがあれば、信頼できる転職エージェントや専門家に相談してみましょう。あなたの新たなキャリアが、素晴らしいものになることを心から願っています。

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