
仕事とマネープランは切っても切り離せない関係。特に、20代という若手の時期は収入も少なく、なかなか貯金もできないため、これから先の人生設計を不安に思う人もたくさんいるのではないでしょうか?
そんな不安を解消すべく、全5回にわたって20代の資産形成術をファイナンシャルプランナーにお聞きする本企画。第一回目となる今回は、「20代の資産形成」をテーマに結婚までのお金の考え方についてお伺いしました。
梶原 真由美| かじはら・まゆみ
1976年生まれ、株式会社マネーライフプランニング所属、お金を増やす専門家。40歳で出産、夫と長女の3人家族。26歳の時にスノーボード追突事故で両足骨折する。賠償金で大金を受取るも、当時お金に関する知識が何もなく、FX投資などに手を出し、あっという間に使い果たす。他の人には同じ失敗をしてほしくないとの想いで、30歳の時に、お金のアドバイザーであるFPへ転身。
■結婚後に共働きをすれば収入は2倍、支出は1.5倍程度に抑えられる
20代の方の中には、「お金がないと結婚できない」と思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、梶原さんは決してそんなことはないといいます。
「まず結婚後の生活については、仕事を持つ2人が一緒になる場合、家計の支出は単純に2倍にはなりません。むしろ、それぞれが払っていた家賃や生活費が一緒になることで支出が抑えられ、かつ働き手が2人になるため、(子どもができるまでは)お金は溜まりやすくなります」。
「結婚」というと、特に男性は自分ひとりで背負い込む気持ちになってしまうかも知れませんが、結婚後の生活については、共働きという選択を取ることで、不安は解消されそうですね。
「とは言え、やはり結婚生活をスタートさせるまでには、結婚式、新婚旅行、新生活準備(家具・家電購入、引っ越しなど)と、どんな結婚生活を望むかによって、必要なお金は変わってきます。ですから、この『婚約から新生活をスタートさせるまでにかかる費用』を具体的に見積もってみることで、いくら貯めるべきなのかが見えてくるのです」。
結婚までにかかる費用平均
★婚約から新婚旅行までの費用:全国平均469.7万円
(挙式、披露宴・披露パーティー総額は、全国平均359.7万円)
※『ゼクシィ結婚トレンド調査2016調べ』
★新生活準備費用:全国平均72.3万円
(インテリア・家具購入の総額:40.0万円、家電製品の購入総額:37.4万円)
※『新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)』
「結婚にまつわるお金の中でも、“挙式・披露宴費用”が大きな割合を占めているため、具体的にどんな結婚式を挙げたいのかを考えるだけでも、結婚に必要な費用がイメージできるでしょう」。
■「結婚から新生活スタートまで」を順調にするために貯めるべき金額は?
しかし、そうやって見積もった金額もすべて自分ひとりで貯める必要はありません。
「例えば、半分は結婚相手に出してもらえるのか、また親からの援助はあるのかを確認しておくことで、自分が貯めるべき金額が変わってきます。普段、親世代をプランニングすることが多いのですが、およそ8割の親御さんが、子どもの結婚資金援助を希望されています」。
つまり、「婚約から新生活スタートまでのお金を見積もった額」から、「結婚相手負担分」と「親からの援助」を引いた額が、本当に自分が貯めておかなければいけない「結婚に必要なお金」になるのです。
【例】
婚約から新婚旅行までの費用「500万円」、新生活準備費用「100万円」、婚約者と費用を折半し親からの支援が「100万円」の場合
結婚から新生活までの総費用:500万円+100万円=600万円
実際に貯めるべき金額:600万円÷2(折半分)−100万円(親からの支援)=200万円
この場合の自分で貯めるべき費用は200万円となります。
自分のプランに置き換え計算をしてみて、必要額に届かないという結果であれば転職も一つの選択肢として考えてみてもいいかもしれません。
■自分たちの理想を具体的に描くことからはじめてみる
結婚の形は人それぞれです。豪華な披露宴を望む人、親族だけで海外ウエディングを望む人、はたまた、結婚式は挙げなくてもいいという人もいるでしょう。結婚にはお金が必要と決めつけることなく、具体的に自分はどんな結婚を望んでいるかを考えてみることで、本当に必要な費用が見えてくると言うわけですね。
■結婚の予定がない場合、とりあえず20代で貯金すればいい金額は?
まだ結婚するかどうかもわからないし、いくら貯めればよいかまったく見当がつかないという人がいれば、「とりあえず100万円は貯めておきましょう」と梶原さん。
「100万あれば、いざ結婚することになっても、最低限必要な『2人で住む場所』は確保できます。お金がなければ、婚約指輪もいらないし、結婚式も挙げなければいいんです。でも、2人で住む場所の確保だけは、避けては通れません。それ以外にも転職や、スキルアップの費用に充てることもできます」。
では、そのお金はどうやって貯めていけばよいのでしょうか。後編では、20代の資産形成を考える上で大切なことを教えて頂きます。
Text:釘宮優子(RhythBiz)
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