自分の気持ちに正直に行動。世界で経験した広い視点で、金融サービスを変えていく。|株式会社LINE Financial 奥中綾さんインタビュー

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今や国内の月間利用者が8000万人を超えるコミュニケーションアプリ「LINE」。その関連会社として、お金とユーザーとの距離を近づけ、お金の移動や送金、保険、投資等の領域で挑戦をしているのがLINE Financial株式会社です。昨年の11月には、「LINE Fintech Conference」にて、個人向けのスコアリングサービス「LINEスコア」と、個人向け無担保ローンサービス「LINEポケットマネー」について発表し、今夏のローンチを予定しています。

 

今回は、営業、アナリスト、M&A、海外での事業開発といったさまざまな経験を経て、LINE Financialの経営企画と事業企画に携わっている奥中綾さんにインタビュー。転職のきっかけや仕事への向き合い方など、貴重な話をお聞きしました。

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<今回お話を伺った方>

奥中 綾|おくなか・あや

株式会社LINE Financial 経営企画室

大学卒業後、三井住友銀行に入社。総合職として法人営業を担当後、アナリスト、M&Aなどの領域を経験し、2013年に京都大学経営管理大学院と経団連が共催する「Asia Business Leader Project」へ派遣。同プログラムの一環でマレーシアでのインターンシップ等を経て、帰国後はベトナムでの決済サービスの立ち上げに携わる。2018年に株式会社LINE Financialに転職。経営企画、事業企画を担当し、組織づくりから新規事業の開発まで手がける、

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「日本と海外は繋がっている」を学ぶため、海外へ

 

―これまでの奥中さんのキャリアについてお聞かせください。

 

大学卒業後、三井住友銀行に総合職として入社し、はじめは法人営業を担当、2年目には業種アナリストのような業務を行う企業調査部に異動になりました。学ぶことが多く仕事も楽しかったのですが、数年すると、”お客様と触れ合いたい”という気持ちで入社したはずなのに、いつの間にか「銀行のため、組織のために働いているのでは…」と感じることもあり、それらも大事なことなのですが、そんな状況の中、思い悩むようになり、「このままでいいのかな」と考えるようになりました。悩みつつも、毎年提出するキャリアシートには「もっと他のことにも調整したい。異動したい」と書き続け、会社に意思を伝えて続けていたら、願いが叶ってコーポレート・アドバイザリー本部の営業に異動になりました。業種別に担当し、業界再編等をテーマに投資銀行のような営業を行う部署でした。

 

―自ら行動を起こし、異動を実現されたのですね。

 

異動先の部署では、「お金の動き」や「会社経営」ということを身近に感じながらの営業で、ファンドの方とのお付き合いも経験でき、やりがいがありました。当時はメガバンクの金利もストラクチャーもほとんど変わらなかったので、お客様に対しどのようなメリットがある提案を出来るのかがダイレクトに求められましたね。そして、当時多くの不動産の地価が落ち込んで、そこに目をつけて海外のファンドが入ってくるという状況を目の当たりにしたことは、改めて「日本と海外は繋がっているのだ」と感じ、日本だけでなく、海外の金融についても勉強もしなければ、と思うようになりました。そこで、「海外で仕事がしたい」と言い続けていたら、ありがたいことに京都大学経営管理大学院と経団連が共催する 「Asia Business Leader Project」のメンバーに選出していただき、1年間参加することができました。

 

―それはすごいですね! どちらで学ばれたのでしょうか?

 

はじめはフィリピン、そしてマレーシアへ行き、現地で働きながら世界の金融について学ぶ日々を過ごしました。もう、まったく何も分からないわけですよ(笑)。社会人として年を重ねると、「分からない」ということを素直に発信しにくくなりますが、そんなことも言っていられない環境だったので「恥ずかしがらずに、素直に聞こう」と腹をくくり、積極的に教えてもらうようにしました。

 

 

新しいことができる可能性に惹かれて

 

―帰国後はどうされたんですか?

 

三井住友銀行の決済部門での海外での事業企画に携わりました。携わったのはベトナムでの新規事業で、銀行口座保有率が約3割のベトナムで、電子マネーを導入するというプロジェクトです。2年間そのプロジェクトに携わり、いよいよローンチが見えてきたという頃に、自然と「次は何をしよう」と、自分のキャリアについてはじめて前向きに考えるようになりました。その結果、金融業界を離れて経営全般や事業についてしっかり学びたいと感じ、ボストンコンサルティンググループに転職したんです。組織の在り方やM&A戦略などに携わりましたが、ある程度やりきったタイミングで、再び事業会社に戻りたいという想いが湧いてきて、約1年後、LINE Financial に転職しました。

 

―LINE Financial に決めた理由は何だったのですか?

 

当時、すでに開始していた「LINE Pay」をはじめ、他にもいろんな会社が「○○ペイ」などの電子決済サービスをどんどん発表していて、転職活動の際にも何社かお声がけいただきました。LINEに決めたのは、「会社作りからサービス作りまで何でもできる」と聞き、「すごく面白そう!」と思ったから。大きなことを描いている雰囲気もひしひしと伝わってきて、ワクワクしましたね。

 

―LINEの持つ可能性に惹かれたという感じですね。

 

そうですね。LINEにはポテンシャルがあると思いました。今まで超大手金融グループに所属してきて、規模が巨大だからこそ、デジタル化や内部の構造改革がなかなか変わらないという現状を間近で見てきました。

 

しかし、固定電話が携帯電話、そしてスマートフォンへと変わっていったように、そうした変化は必ず金融にも起こりえます。そういう勢いのある変化が金融業界に起こってきた際に、まだ金融ビジネスにおいて白紙のような企業のほうが自由度があり、世界を変えられるかもしれないと思ったんです。そんなサービスをこの会社で一緒に作っていきたいと感じました。

 

 

“何でだろう?”が自然に出てくる場を、思い切り楽しむ

 

―LINE Financiaではどんなお仕事をされているのですか?

 

経営企画と事業企画に携わっています。経営企画のコアの仕事は、会社の規程や決まりごとなどを作り、会社全体を整えていく仕事ですね。とはいえ、大手の金融グループがやっていることをそのまま取り入れても、LINEにはフィットしない部分もあります。LINEらしさを取り入れつつ、それぞれの社員が上手く動けるようにするにはどうしたらいいか、日々相談しながら作っています。

 

事業企画としては、LINE Credit株式会社という子会社での、新規サービスの立ち上げに関わっています。ゼロからサービスに関わるのは初めてのことなので、一つひとつの事柄にぶつかった際に「何でこの事業をやるのか?」「この法律の意味は何だろうか?」と毎回立ち返っています。今までは会社の社則に則ってやることがほとんどだったので、そこを意識したことがあまりありませんでしたが、「何で?」と思うことはとても大事なことだと感じています。

 

―それはなぜですか?

 

LINE Financialのメンバーと話をしていると、「なぜですか?」「ここが分かりません」と聞かれることがすごく多いです。そうした環境の中では、自分も「分からない」と言いやすいですし、分からないことを認めて調べたり話し合ったりすることで、内容もどんどんブラッシュアップされていきます。

 

最近は、分からないことへの恐怖心がなくなってきて、分からないこと自体を楽しめるようになってきました。子どもって「知らない」ことに対して何もマイナスなイメージを抱かないですよね。それと同じで、LINE Financialに転職して、再び脳みそがアンチエイジングできているような気がします(笑)。

 

―なるほど。最後に、これから転職を考えている方にアドバイスをお願いします。

 

前職の常識に囚われないことですね。常識はそれぞれの会社で違うのが当然ですし、一つの常識で凝り固まってしまうと、転職先で楽しめなくなってしまいます。一つの価値観に囚われず、柔軟に考えることは大事だと思います。

 

あとは、じっくり考えて自分の状況と照らし合わせることです。100%完璧な環境はないと思います。その上で、どういう環境に身を置きたいか、何を経験したいかなどをじっくり考えた結果、今の会社で実現するのが難しいのなら、かつての私と同様、転職を考えるタイミングなのではないでしょうか。悔いのない選択ができれば素敵ですね。

 

―貴重なお話、ありがとうございました!

 

 

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