
自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」やビジネス向けクラウドサービス「MFクラウドシリーズ」を展開する株式会社マネーフォワード。9月にはフィンテックのベンチャーとしては初となる東証マザーズ上場を果たし、市場の期待を大きく背負う企業として注目を集めています。
今回は、銀行での営業職を経てマネーフォワードに転職、現在はMFクラウド事業推進本部の副本部長として活躍される山本さんがご登場。転職のきっかけや転職後のやりがいなど、キャリアストーリーをお伺いしました。
山本華佳|やまもと・はるか
株式会社マネーフォワード MFクラウド事業推進本部 副本部長
1986年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、シティバンク銀行に入社。資産運用関連の営業を6年経験した後、2014年10月にマネーフォワードに転職。
「あの人たちと働きたい!」が入社のきっかけに
—これまでの山本さんのご経歴を簡単にご紹介いただけますか?
大学卒業後に新卒で外資金融機関に入行し、リテール営業を担当しており、そこでは個人資産家の資産運用がメイン業務でした。その後の2014年、まだ創業して2年目だったマネーフォワードに入社しました。同年の7月に初めて会社に話を聞きに行き、翌月には入社を決めて10月から正式に入社という流れです。
—転職活動の際は、何を軸に転職をされましたか?
お恥ずかしながら、明確な軸は無かった気がします。というのも、当時実は転職することを真剣に考えていたわけでなく、転職エージェントからご紹介いただいたのがきっかけでした。新卒で金融機関に入って、それなりに充実した日々を過ごしていたと思います。ただ、金融機関はルールがかっちりと整備されているので、その中での成長と、全てを自分達で作る環境の中での成長を比較した時、後者に魅力を感じていました。
当時は、大きな組織の中のいち従業員ですので、私がいなくても仕事は成り立つように出来てます。だけど私は、one of them じゃなくて、もう少しonly oneな働き方をしたいと思い、いい出会いがあれば転職したいなという気持ちはずっと持っていました。
エージェントさんからは「お金」というキーワード繋がりでご紹介いただいたと思うのですが、マネーフォワードの「人々が持つお金の課題を解決することで、人生を豊かにできるのではないか」というビジョンに強く共感できました。面接でお会いする方も、素晴らしい経験を積んだ方が多く、エージェントさんからは、「大人のベンチャー」と紹介されました(笑)。
自社のサービスが世の中を変えると、熱く語ってくださる方と接して「この人達と一緒に働いたら楽しいだろうな」と思いました。業務の内容はもちろん大事ですが、実はそれはあまり転職時の最優先事項として考えていませんでした。
—他にも候補はあったと思うのですが、当時まだ小さいベンチャーだったマネーフォワードに決めた理由とは?
今となっては、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というビジョンが腹落ちしていますが、当時は、共感できるな、くらいの気持ちでした。何が申し上げたいかと言うと、入社前に事業への共感や、その会社で働くイメージを120%の状態に持っていくことは難しいと思っていて、80%くらいまで入社前にイメージ出来たら、あとは、誰と働くかが決め手だと考えています。
よくある回答かもしれませんが、マネーフォワードは面接時にお会いさせて頂いた方々が本当に素敵だなと思ったんです。やりたいことと募集ポジションがマッチしていても、そこで働く人と合わなければ不幸せになるかもしれません。私の中では、一緒に働きたいと思う人が会社にいて、その人達の考えにどれだけ共感できるか、そして追いつきたいと思えるかがモチベーションになっています。
—実際に転職してみて、転職の目的は叶いましたか?
叶いました。ルールは何もなかったので自分たちで全て作っていきました。例えば、営業だと売上目標が設定されると思いますが、それも上からの指示ではなく、何を目標とするのか、どこで数字を立てるのか、どうしたら会社の成長に貢献できるかをすべて自分たちで考えました。それは私にとって目からウロコでした。これまでは、「決められた」目標を達成するためにどうするべきかを考えていましたが、自分たちで考え、作り、達成していくというのはとても新鮮で刺激的した。
—まさに手探りという感じですね。
もう決めてやるしかないんですよ(笑)。そしてそれがすごく自分の性に合ってたと思います。私自身は物事を決めるのがすごく早いようで、迷わずに「はい、これ」と決めたらすぐにやる、だめだったらまた次の行動に移す、という小さなサイクルを回していました。
私がいる部署では、全国の会計事務所様や事業会社様に「MFクラウドシリーズ」をご提案していますが、営業部ではなく事業推進部という名前です。なぜ営業部ではないのかというと、事業を進めるために何をすべきかを考えることを意識した部署なんです。そんな風に営業にプラスしたキャリアを積むことができたことが非常に面白く、素晴らしい経験だなと思っています。
“学びたい気持ち”が転職への不安を解決
—順調にキャリアを重ねていらっしゃいますが、中途入社で不安だったことはありますか?
大枠で「お金に関わる」という軸では同じですが、実際は金融業界からWeb業界という異業種への転職だったので、自分の何が役立つのかが正直不安ではありました。でも、お客さまとお話しして、ご契約いただくという点では自分の経験は活かすことはできたと思います。
難しかったのは……ワードやパワーポイントなどのソフトでした(笑)。実は前職では決められた資料があったため、ほとんど使うことがなかったので、マネーフォワードに入社した頃に作ったパワーポイントの資料は、今思えば目も当てられないものです(笑)。そこはすごい苦労しまして、ゼロから真っ白なところに絵を書くということに苦戦していました。懐かしいですね。
—入社直後は自社の商品知識もない状態なので大変ですよね。
いまでこそ多くのメンバーが所属する部署になりましたが、当時は役員含め数名程度で、サービスも完成したものは無いので、作りながら走る状態。お客様にプロダクトをお見せして「こんなプロダクトを開発していて、これを強みとして実際の業務でお役立ていただけそうですか?」「実業務について教えていただけますか?」といったことをご質問していました。お客様には業界知識の多くを教えて頂いただけでなく、ここをアピールしたら、営業に効くと思うよと、沢山のアドバイスも頂きました。
—大企業からベンチャーに転職することに不安を感じる人も多いと思いますが、そういう方にアドバイスするとしたら、経験者としてはいかがでしょうか?
結局のところは、「入ってみなければ、できるかできないかもわからない」と思います。正直、私もベンチャーでやっていけるかな……と悩んだこともありましたが、行動しなければ何が自分に足りないのかもわかりません。なので思い切って飛び込んでみて、できないことはそこからやればいいと思ってチャレンジしました。
できないことが恥ずかしいとか、新しいことを躊躇する気持ちが大きいと思うなら、今の場所にとどまったほうがいいのかもしれません。ですが、「恥を捨ててでも学びたい!」という気持ちがあるならば一歩踏み出してみると、見える世界が全然違ってくると思います。
実は当時の募集枠がCS(カスタマーサポート)だったので、CSとして面接を受けに来ました。ですが、面接官の瀧(取締役)と話をしているうちに「山本さんは営業だと思う」と言われて、面接途中でポジションが変わったんです。その時に、踏み出してみると思いがけないこともあるものだと実感しました。
スキルが高い人よりも会社のビジョンに共感できる人を歓迎したい
—今は逆に面接をする立場になられていますが、面接ではどんなところを見ていますか?
業務的な知識やスキルももちろん大切ですが、自分自身がそういったものがない状態でマネーフォワードに入社しているので、個人的には、その方のご経験や、経験からにじみ出る人となりが、チームにマッチしているか、もしくはポジティブな新しい風を吹かせてくれるかという点を私は大事にしています。加えて、会社のビジョンに共感し、マネーフォワードでやりたいことがある!と仰って頂ける方と働きたいですね。例えば、マネーフォワードなら、現在Fintechの分野が盛り上がり、金融業界が変わろうとしています。その流れの中で挑戦したい人だったり、個人でも法人でもお金の悩みを解決して、日本を元気にしたいという思いを持っている方は大歓迎です。
転職前の自分からでは想像もできないですが、今行っている自分自身のマネーフォワードでの日々の活動は、日本に変化を与えられると信じています。
—転職経験者として、これから転職をしたいと考えている方へアドバイスをお願いします。
転職前も後も同じだと思いますが、誰かに相談したり、貪欲に情報を求める姿勢は大事だと思います。生身の人間から聞く情報は圧倒的に浸透力が違うので、そんな情報をくれる人を見つけ、どんどん質問や相談をすることは重要だと思います。
得た情報から、自分の中で小さな決断を少しずつ重ねていくと自ずと進みたい方向が見えてくると思います。決断した勇気を自信に変えて、前進する力に変えて欲しいなと思います。
—背中を押してくれる素晴らしいメッセージをありがとうございました!
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