本質的(マジ)で価値ある転職!未経験分野で経験を活かして活躍する|freee株式会社 松浦 聡子氏・西尾 千代氏

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Fintech企業の雄であるfreee株式会社。今回はそこに在籍するマーケターとエンジニアのお二人にご自身の転職経験について語っていただきました。それぞれ全く違う経験をされているのでキャリアの築き方のヒントを見つけれるかもしれません。

西尾 千代| にしお・ちよ

freee株式会社 プロダクト開発本部
カナダのクイーンズ大学数学科卒業後、英会話の非常勤講師として一年働いた後、プログラミング未経験でSIerに就職。テスターやブリッジSEを経験したのち、複数のモバイル開発のプロジェクトに参画。2015年11月にfreeeへ入社以来はwebエンジニアとして、会計freeeのアカウントアグリゲーション機能に携わる。

松浦 聡子| まつうら・さとこ

freee株式会社 パートナー事業本部
一橋大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループ、三井物産を経て、2015年12月にfreeeに入社。入社後にfreeeで第1号となる産休・育休を8ヶ月取得。入社以来一貫して会計事務所向けの戦略マーケティングに従事し、セミナーや広告など幅広い業務を担当。

それぞれ別の業界から未経験分野に転職

—これまでのお二人のキャリアについてお聞かせください。

西尾:私はカナダの大学で数学を専攻していました。同じ専攻を卒業した人の多くは金融関係に就職するか、教師になるか、という人が多かったのですが、どっちも「うーん」と思って……。まずは日本に戻って英会話講師をしました。そのあと1年で転職し、SIerに未経験で入って、まずは研修やOJT、その後複数のプロジェクトに参画する中で技術を身につけていきました。その後freeeには2015年末に入社しました。

松浦:私は新卒でボストンコンサルティンググループ(以下BCG)に就職しました。2年弱ほど在籍しましたが、新卒で入って経営者の方々と同じ目線でコンサルティングをしていくということにチャレンジを感じ、総合商社の三井物産に転職しました。取り扱う商材の特性上、ここの物流や投資案件は非常にダイナミックで、世の中を動かしているという面白さがありました。一方で、よりもっとスピード感を持って新しい事業を生み出していくことにも非常に興味があり、職業人生の限られた時間で何をするかということを考えて、30代に入ってすぐに転職に踏み切りました。

—それぞれ異業界、異業種への転職を経験されたのですね。転職について考えだした理由など詳しくお聞かせください。

西尾:もともとそんなに計画性のあるキャリアを描けてはいなかったのですが、過去のどちらの仕事も、始めたときから転職は視野に入れていました。最初の英会話講師はコミュニケーション力を身につけられたら、という思いで選びました。人見知りでそれを克服したかったんです。その過程で生徒さんから学ぶことも多かったです。

—英会話講師からキャリアをスタートさせたんですね。

西尾:はい、そしてある程度人前で話すことにも抵抗がなくなって、転職活動をはじめました。インターナショナルスクールや海外の大学を出ているので実はこれまで日本の社会に触れてこなかったんです。だから日本の会社の中に入って実情を見てみたかったという思いがありました。それにプログラミングにも興味があって2年はやってみようと決めてSIerに入社しました。

松浦:プログラミングの知識はもともとあったのですか?

西尾:全くの未経験で(笑)。研修を受けてなんとかなりました。途中で運良くAndroid開発にも関わることができて、それも1年半くらいやりました。freeeに入社してからはwebのサーバー側をずっとやっています。

—はたから聞いていると、とても大変そうです。

西尾:大変でした……!転職するときも不安ではあったんですが、でも時代の流れを見るとまだまだwebの流れが強いことは明らかでしたし、20代半ばなら技術的にもキャッチアップできるかなと思って。勉強意欲はあったのでやってみようと。あと数学をやっていたのでプログラミングとの親和性は高かったと思います。ロジカルシンキングというかパズルを解くような感覚が数学にもプログラミングにもあったので。

—苦手を克服しつつもともとの素養が活かされる分野に就いたのですね。松浦さんはどんな感じでしたか?

松浦:BCGに入った当時は外資系コンサルや投資銀行への就職の人気が高く、その流れに乗った感じでした。とにかくいろんな分野に関わることができ、どこの業界でも通じるスキルがつくし、プロジェクトも3ヶ月で変わっていくので業界がどう周っているのか学べるということでコンサルはいいと思ったんです。でも自分の適正を考えた時にはもう少し長い目線で、事業の当事者となってプロジェクトを動かし、チームの連帯感を持って物事を進めていくという方が合っていることに気がつきました。

 —気づくことでどのように変化していったのでしょう?

松浦:それに自分のビジネスを行ったことのない新卒の私が、他人のビジネスに提言をしていくということにもギャップを感じていました。何を言っても机上の空論になってしまうのではないかという思いがあり、自分が主体となっていろんな修羅場も潜りながらビジネス経験を積んでいく必要があると感じました。

三井物産では物流も投資も経験させてもらいましたが、まさに自分で顧客を開拓し、商売を作ったり、その中でいろんな問題が発生するのを自分で考えながら解決に導いていくような仕事で、楽しかったです。一方で、IT分野の目覚ましい成長の中で自分が当事者となって事業を行っていくとなると、また話は別なのかなと思いました。AIでできることもどんどん拡大していくこの時代に、自分が何をできるのかということを、個人としてしっかり見据えなければならないという意識はありました。

自分がジェネラリストとして働いていたら自分の強みってなんだろうとなってしまう。30代というタイミングで、スピード感のあるなかで小さくても自分ができることを明確にしていきたいという思いがありました。

—大手商社からベンチャー企業に転職する不安はありませんでしたか?

松浦:もちろん、すごく不安でした!ただ、その不安は31歳で転職して何の貢献もできなかったらどうしようという不安です。あとは、前職の三井物産が自分に非常に合っていたのでそういう世界から出ていくことに対する不安ですね。

ベンチャーへの転職。不安とその克服方法とは?

—実際に転職されてみてそれはいかがでしたか?

松浦:今までやってきたことはちゃんと生きてきていて、例えばチームをつくっていくことだとかそういうソフトスキルの部分で役割を果たせていると思いました。若手のメンバーが多いので、一つの方向に導いていくことだったり、細かい抜け漏れがないかということを最適な方法で進めていくスキルだったり、チームの立ち上げ期だと空中分解しないようにつなぎとめるなど、ソフトスキルが役に立っているように思います。

 —西尾さんは不安だったことはありましたか?

西尾:技術的なキャッチアップは課題に感じていました。また、前職は自社サービスを持っていなかったので、今は自分で(サービスに)責任を持ってやっていかなければいけないことにも不安はありました。チームを作っていく立場に初めてなったので、そういうスキルも必要なんだ、あるんだという気づきからはじまって、日々学びながらという感じです。毎日チャレンジばかりなんですけど、少しずつ成功体験を積み重ねていければと思って過ごしています。

—転職する際の相談は、周りの方などにされたのでしょうか?

お二人(同時に):あんまりしてないですねー(笑)。

—そうなんですね(笑)。

西尾:とはいえ夫には相談しました。お金的に大丈夫?とか(笑)、ベンチャーを受けたのも、夫もエンジニアをやっていて、私はどちらかと言うと安定志向だったのですが夫は新しいことに挑戦していくようなタイプなので感化されたというのはあるかもしれないです。松浦さんはいかがでした?

松浦:家族には相談していたんですが、職場の人とか、周りの人に相談というのはなかったですね。結構自分の中でギリギリまで溜め込んで、「今変わらなきゃ」というのがむくむく上がってくるまで待つ感じで。三井物産を辞めるときは2年くらい溜め込んでいましたね(笑)。最終的には、誰かと話したときに、ふと、「私去年と同じことしてる」と思い、自分の人生の時間をfreeeのミッションにあるようなことに使うのがいいんじゃないかと思ったんです。そこまで腹決めしたあとはパンっと前進できました。

働く女性ならではのライフイベントやキャリアとの向き合い方

―松浦さんは転職の時期もそうですが、20代から30代にかけて結婚や出産などのライフイベントから意識の変化はありましたか?

松浦:そうですね、結婚前までは、目の前の仕事をどんどんやって走り続けるみたいな、10年後を考えるより目の前のことに没頭したいというような感じだったのですが、今考えるとものすごく自由でした。20代の頃、結婚も出産も全然先でいいと思っていたんです。とにかく仕事を自由に目いっぱいやりたい、自分の時間を満喫したいという思いがありました。

子どもが生まれるとガラッと変わるんですよね、始業してから今日の終わりをどこに置くかということをすごく意識するようになりました。子どもの迎えに行かなければいけないという中で、きちんと成果を上げながら目一杯仕事をするにはどうすればということを見極めながら進めようという意識が強くなりました。

—西尾さんは今20代ですが、いかがでしょうか。

西尾:私は今まさに仕事に没頭しているステージで、没頭するなら今かなと思っています。今、将来母親になるなどのライフイベントを迎えるまでに何ができるのだろうということは考えていたのですが、松浦さんの話を聞いてすごく参考になりました。

松浦:(独身・子どもが生まれていないと)仕事だけでなくて、プライベートの時間も自由にできるのでその時間は大事にしてほしいです!自分の中で公私ともに「ここまでやったな」というところまでやってから子どものほうが私はいいんじゃないかと思いますね。

—それでは最後に今後必要になってくる人材についてお伺いしたいのですが、今後の社会の中でどのような人材が活躍できると思いますか?

西尾:セルフマネジメントができる人ですね。クラウドサービスも充実してきて、今後、仕事も時間や場所にどんどんとらわれなくなってくると思うんです。その中で時代の流れを捕まえて、セルフマネジメントをして自分自身のキャリアを築いていける人が活躍できると思います。

松浦:自分で考えることができないともうだめなんだな、というのは強く思っています。仕事って、仕事のための仕事になっていたり、やっているふうに見える仕事もあると思うんですが、そういうところはどんどん削ぎ落とされて、本質を追求しながら速くサイクルを回していくようになっていくんじゃないかと。

西尾:自動化できる作業ってどんどん自動化されていくのでこれからなくなっていく仕事はあると思うんですが、自分で考える仕事は他の何にも変えられないものなので絶対必要ですね。

—20代の方や働く女性にとって良いヒントとなるお話ばかりですね。ありがとうございました!

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