考古学×人材ビジネス×マーケティング | Indeed Japan株式会社 岡安伸悟(後編)

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考古学から人材ビジネスへ。そんな異例のキャリアを重ねてきた人がいます。学問とビジネスの世界は離れている、とも言われますがその隔たりを越え、学問で得てきた価値観をビジネスの世界へ動員し、学問とビジネス、2つの価値観を繋いでいます。そんな岡安さんの生き方、転職の転機、これからの転職市場について語っていただきました。

<前編はこちら>

岡安 伸悟| おかやす・しんご

1978年生まれ、大学時代より日本・イタリアにて考古学を学び遺跡発掘・研究に従事。
2007年 株式会社アイデムに広告制作担当として入社。2010年 同社新規事業開発を担当後、事業企画・マーケティング業務に従事。動画マーケティング【アイデム演劇プロジェクト】、コンテンツマーケティング【ジモコロ】をディレクション。
2016年9月 株式会社アイデム 退職
2016年10月 Indeed Japan株式会社 Director of Sales

退職した理由

私は柿次郎さんとともにジモコロというメディアを立ち上げました。ジモコロは一言で言えば“多様性”です。地元や労働を軸にしながらも、より“人”の“多様性”を見せてくれるものです。それは、もちろん読者にとっての“多様性”であり、アイデムとしての“可能性”でもあったわけです。

私が悶々としていた労働への態度が、ジモコロの中では姿形を変えて次から次へと展開されます。ジモコロは、地元に転がる(コロッケ?)情報を届けるメディア、というコンセプトですが、そこで描いているのはやはり“人”なのです。そういう意味では、ジモコロが更新され続ける限り、“人”の多面的な“労働”を伝えてくれる装置として存在してくれるのです。

しかし、“人”と“労働”を考え続けてくれる装置ができたから転職したわけではありません。退職のきっかけは7月に参加したジモコロ熊本震災イベント(http://kurokawawonderland.jp/)の取組が大きいです。

メディアの力を再認識した事。またそこに参加している様々な働き方を示してくれる人々を知ったこと。だからこそ、という理由にはならないかもしれませんが、アイデムとは異なった文化で仕事をしてみたいと思いました。退職の理由は本当にそんな単純な理由です。

転職先としてのIndeed Japan

日本では現在「仕事さがしは、Indeed ♪」とTVCM展開をしています。サービスは独立型の媒体ではなく、googleの様な、求人に特化した横断検索サービスになります。

アイデムでは、事業や媒体企画、デジタルマーケティングを軸に仕事をしてきました。そこで得たものはとても大きく、反面社外の他の求人サービスの状況により興味を持つ事になりました。人はどの様に仕事を探すのか。そもそもどうして仕事を探そうとするのか。そして、その仕事に決める理由は何なのか。そういった本質的な事を、それまでとは違った視点で再考したいという動機での転職でした。

慣例を疑いはじめる

ここ数ヶ月、私が懐疑的になっているのが日本の雇用慣習である業種や職種分類です。例えば建築業界や医療業界のような業界分類と、営業や事務といった職種分類があります。一般的なWeb求人媒体を活用しようと思うと、特に転職領域においてはこの業種・職種検索機能が必ず設定されています。

私も前職にてWeb求人媒体を設計した時には、その前提に立って企画していました。実はその業種・職種に基づいたマッチングの考え方がすでに機能不全に陥っているのではないかと、私は考えています。

もっと言うと分類の多様化はもう必要ないのではないか、と考えています。人々がその仕事のイメージを「ありのまま」「自然文」で検索することができればそれで十分だからです。

その事に気がつけたのは、これまで私が見落としていた初歩的なことでした。考古学に携わる仕事、例えば埋蔵文化財発掘調査員を検索しようと思っても、一般的な転職サイトで見つけるのは至難の業だったのです。※1

働き方再考のタイミング

日本の労働市場において、グローバルサービスをどうジャパンローカライズしていくべきかは、まだまだ検討の余地があるなと感じた次第です。その証拠にIndeedのミッションは、 We help people get jobs. という言葉に尽きます。日本の文化の中で、日本人が、それこそ人々が望む仕事に就くためには何が必要かを考え続けなければなりません。

雇用側も被雇用側も巻き込み、またそこに携わる労働市場の様々なプレイヤーを巻き込みつつ、改めて日本人の働き方を再考するタイミングなんだと感じています。

※1正職員の仕事は、行政に紐づく仕事でもあり一般サイトには出てこない、という部分もありますが。少し前に全国の幼児や小学生のアンケートで、将来なりたい職業の2位に「学者」がランクインしていました。では、彼らはどのように今後求人サイトで学者の仕事を探すのでしょうか。もう少し現実的な視点で話しをすると、学者以外の道を目指すとき、その能力を活かせる仕事を探すために、業種・職種分類が役に立てるとは思いません。

 

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