30歳を過ぎたら老後を意識すべき?老後資金はどうなる?老後をしあわせに過ごすためのマネープラン

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「将来、年金が貰えなくなる」「年金額が減る」などとよく耳にする今、老後に漠然とした不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、男性が30歳を過ぎたら老後を見据えて何をすべきなのか。老後を幸せに過ごすためのマネープランについて、ファイナンシャルプランナー梶原真由美さんにお話を伺いました。

梶原 真由美| かじはら・まゆみ

1976年生まれ、株式会社マネーライフプランニング所属、お金を増やす専門家。40歳で出産、夫と長女の3人家族。26歳の時にスノーボード追突事故で両足骨折する。賠償金で大金を受取るも、当時お金に関する知識が何もなく、FX投資などに手を出し、あっという間に使い果たす。他の人には同じ失敗をしてほしくないとの想いで、30歳の時に、お金のアドバイザーであるFPへ転身。

■伸びる平均寿命。あなたの老後は何歳から?

あなたは何歳からが「老後」だと思いますか? 現在の定年や年金支給開始年齢から「60歳」や「65歳」というイメージを持っている人も多いかも知れません。しかし梶原さんは、「自分たちの老後を、今老後を過ごしている人たちと同じ感覚で考えてはダメ」と指摘します。

「『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)という本によると、“2007年に日本に生まれた子どもの50%は107歳まで生きる”と予想されています。」

現在の日本の平均寿命は、男性が80.98歳、女性が87.14歳※1。それが、今10歳(2007年生)の子どもたちの時代で107歳まで伸びるという予想ですから、今30歳前後の男性であれば、90歳~100歳近くまで生きると仮定しても、おかしくはないのではないでしょうか。

■長寿化に伴い定年退職年齢も伸びていく

では、寿命が伸びる分、「老後」にあたる期間が長くなるのかと言うと、そうでもないようです。

「寿命が伸びることを見据えて、イギリス、ドイツ、フランスといった欧州諸国は、すでに年金支給開始年齢の引き上げを予定しています※2。日本の年金制度も、支給開始年齢を変えずに“減額する”というよりは、支給開始年齢を“引き上げる”方向で調整する可能性が高いでしょう。」

仕事を引退する(老後の生活に入る)ひとつの目安となる年金。この支給開始年齢が、今後、70歳、75歳と引き上がって行くのであれば、当然「それまでは働きましょう」という流れになっていくはず。

「 “引退年齢が引き上がる”ということを想定し、“長期間に渡って稼ぎ続けられるキャリアをいかにして構築していくか”を考えることが第一です。それには、前回お話した“人的資本を高めること”、そして“健康な体”を維持しておくことが大切です。」

一方で日本の労働人口の49%が人工知能・ロボットで代替可能であるという試算が野村総研から発表されています※3。長く働くことが必要になってくる一方、今ある仕事がいつまであるのかわからない状況でもあるのです。今、改めて自分の仕事が数十年にわたって自分が続けられるのか、将来につながるのかを振り返ることも必要でしょう。

■マネープランは “お金の貯め時”を見極めることが大事

では、長く働き、仕事を引退した後の「老後資金」という面では、まだ意識しなくてもいいのでしょうか。

「お金には“貯め時”があります。まずはそれを知り、30代のうちからしっかりと“貯められる時に貯めておく”ことが大事です。」

貯め時①「子どもが小学生から高校生までの間」

「子どもにどういう教育を受けさせるかにもよりますが、公立に行くのであれば、小学生から高校生までは、義務教育、公立高校無償化によって、教育費の負担が少ない時期になるのでお金は非常に貯まりやすいと言えるでしょう。」

貯め時②「子どもが独立してからリタイア(仕事引退)までの時期」

「子どもが自分自身で生計を立てるようになれば、教育費や仕送りなどの負担がなくなり、お金は非常に溜まりやすい時期になります。」

ただこれは一般的なケースで、人によって「貯め時」は変わると言います。子どもを持たない期間が長ければ、そこは最大の「貯め時」になりますし、逆に、晩婚化が進んだことによって2回目の貯め時である「子どもが独立してからリタイアまでの期間」がない人もいます。

■お金が貯まらないのが当然の時期もある

「時期によっては、まったくお金が貯められない時期もあるでしょう。そんな時でも、きちんと“貯め時”を理解し、貯めるべき時に貯めておけば、焦らずに済みます。気がついたらお金がなかった!とならないためにも、自分の貯め時はいつなのかをきちんと見極めておきましょう。」

“貯め時”を見極め、年間でいくら貯められるのかという予定を立て、毎年きちんと貯められているかをチェックすることが、マネープランを絵に描いた餅にしないためには大事なんだそう。

「今は、銀行やクレジットカードの明細を自動的に取り込んでくれる家計管理アプリもあります。そういった便利なサービスを使えば、毎日家計簿をつける手間なく、振り返りも簡単ですよ。」

この先の長い人生をしっかりと見据え、寿命が伸びる分だけ人生を謳歌できる土台を、30代のうちからしっかりと作っていきたいですね。

Text:釘宮優子(RhythBiz)

※1平成28年簡易生命表の概況(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life16/index.html
※2海外の年金制度(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/shogaikoku.html
※3日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に
https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

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